そばの打ち方・そば打ちの基本
「粉に水を加えてまとめ、練ってのばして、たたんで切る。」と、そば打ちの工程は簡単に言ってしまえばこれだけですが、そばは打ち始めたら一気に仕上げることが大切ですから流れをしっかり頭にいれておきましょう。
加水
粉(そば粉6:小麦粉4)に水(粉500gに対して200ml。卵を加えても可) を加えながら、粉を混ぜて、 全体に水分が十分行き渡るようにする作業です。
水加減と、水が粉にしっかり浸透するよう大きく手早く混ぜることがポイント。
練り込み
粉は混ぜているうちに固まってくるので、 木鉢の内側に寄せてまとめます。
この生地を外側から手前に引き寄せるように練っていきます。 この練り加減でそばの出来が決まります。
丸のし
生地をのし台にとり、両手をかさねて、 体重の重みで押すようにしながら、少しずつのばしてきます。
ある程度手でのばしたら、麺棒でさらに丸く大きくのばします。
角だし
次に麺棒を生地に巻き付け、転がしながらのばし、 生地を広げるときの角度を変えることで、徐々に正方形になるようにのばしていきます。
これが「角だし」と呼ばれる作業です。
本のし
角だしで四角くのびた生地をさらに、そばの細さまで(1mmほど) 薄くのばしていきます。
丸のしのときと同じ要領で麺棒をかけ、厚さを確かめながら均等にのばします。
たたむ
均等に薄くのばし終わったら、表面にたっぷり打ち粉をし、 縦二つにたたみます。
さらに打ち粉をし、二つにたたむということを 繰り返し、包丁で切れる幅にします。
切る
端を落として小口を揃えてから切りはじめます。 そばは、小間板を使って切り、包丁でその板を送りながら切ります。
切ったそばは余分な粉を払って乾かないように保存します。
茹でる・洗う
そばは沸騰した湯にほぐしていれます。 鍋の中でそばが踊るくらいのたっぷりの湯と 強い火加減で茹で、ふきこぼれそうになったらさし水をし、茹で上げて洗います。
和食は目でも食す
蕎麦の盛り付けに欠かせないのは、せいろである。せいろはもともと団子や饅頭などを蒸すためのものだったが、江戸時代の初期に湯通しせずにせいろで蒸して食する「蒸しそば切り」が流行し、その名残で現在も、盛りそばにはせいろが使われている。せいろの形も時代によって変わっている。江戸から明治の初期にかけては耳の出た升に竹のすのこをはめ込んだもので、明治後期に長方形になる。また、丸型のせいろが広く普及したのは戦後になってからである。
せいろの“上げ底”
もりそばの箱せいろが現在の上げ底になった理由は、江戸後期にそば屋一同がお上にそばの値上げを願い出たところ、奉行が”値上げは許可できぬが、上げ底にすることは許そう”という裁きを出したためと云われている。「かけ」はそばに汁をかける”ぶっかけそば”という呼び名からきている。当初は下賎なものとされていたが、ぶっかけそばが盛んになるにつれ区別するために、もともとの汁につけて食べるそばを「もり」と呼ぶようになった。